
おはようございます.ぐ~ままです.
先日,2回に分けてせっけんと合成洗剤について紹介しました.
たぶん,この記事を読んでくださっている方は,そういうことを普段から意識しておられる方なんだと思います.
そして,そういう方はだいたい「やっぱり,せっけんの方がいいに決まってる!」って思ってるんじゃないでしょうか?
はい,かくいう私も,自称「なんちゃって自然派」で,「そりゃ,せっけんでしょ」って思ってました.
ですが,いろいろ調べているうちに,なんでもかんでもせっけんの方がいい,というわけではないことに気づいたのです.
なので,どちらがいいとかではなく,正しく知って,選択してすることが大切だと思ったので共有させていただきます.
合成洗剤の欠点
まず,せっけんと比べたときの合成洗剤の欠点を説明します.
合成洗剤には,大きな欠点が3つあります.
すすぎ落とされにくい
合成洗剤の最大の欠点は,泡切れが悪く,すすぎ落としにくいことです.
食器洗い洗剤を使った後などに,いつまでも手がぬるぬるしている,という経験はありませんか?
つまり,それは,合成洗剤が手に残っている,ということなのです.
少々洗ったぐらいじゃ,そのぬるぬるはなかなか取れませんよね.
このすすぎ落としにくさは,合成洗剤の悪いほうの特徴の一つです.
働きが失われない
合成洗剤の2つ目の大きな欠点は,除去しない限り働きが失われない,ことです.
肌などに残っていたら,いつまでも働きやめません.
皮膚に洗い残しがあると,皮脂などをひたすら分解し続けてしまうので,肌荒れにつながります.
合成洗剤を使うと肌荒れが起きやすくなる,というのは,このためなのです.
それに対して,せっけんは肌に残っていたとしても,皮脂などに中和されて働きが失われるので,肌荒れが起きにくいのです.
分解のスピードが遅い
せっけんと比べると,合成洗剤は生分解性が悪く,自然の中で分解されるまで時間がかかります.
つまり,環境に負担がかかりやすいということです.
ですが,下水処理施設で処理されるのであれば問題ありません.
なので,なので適切に使用して,排水処理を行えば,これについては大きな障壁とはならないでしょう.
合成洗剤の長所
では,次に合成洗剤の長所です.
「合成洗剤=悪」と誤解されがちなのですが,合成洗剤にもせっけんと比べていいところがあります.
それをご紹介していきます.
使いやすさ
そもそも,なぜ,合成洗剤がつくられたか.
それは,せっけんにも欠点があるからです.
せっけんは,硬度の高い水では,極端に働きが悪くなります.
水は,土地によって硬度が異なるので,地域によってはせっけんが使えないのです.
また,せっけんは「薄める」とダメです.
お風呂場においているせっけんが,水に半分解けかかっているような場合,要注意です.
特に水受けにたまった一見せっけん水に見える白濁した液体は,もはやせっけんの働きすることはありません.
このように,せっけんは水の種類を選びますし,薄められるとせっけんとしての働きを失ってしまうのですが,その欠点を補うのが,合成洗剤です.
合成洗剤は,水の種類によって使えない,ということは基本的にありませんし,水で薄めても働きそのものが失われることはありません.(薄くするとその分,働く力は弱くはなりますが)
この条件を選ばない使いやすさが,合成洗剤の長所の一つです.
種類が豊富
合成洗剤は,種類が豊富です.
ホームセンターやドラッグストア,スーパーなどの家庭用洗剤コーナーで,所狭しと並んでいるのはほとんどが合成洗剤です.
上述の通り,使い勝手がいいことから,各メーカーから多様な種類の洗剤が売り出されています.
洗浄力の強さもいろいろあって,目的に応じて選ぶことができます.
合成洗剤は,洗剤を使う場面に応じて,また,好みに応じて,柔軟に使い分けることが可能です.
中性にできる
せっけんは弱アルカリ性しかありませんが,合成洗剤は,アルカリ性・中性・酸性いずれの液性のものも作れます.
例えば,水回りの掃除をする場合,水垢はアルカリ性なので,弱アルカリ性のせっけんよりも酸性の洗剤の方がよく落ちます.
場面に応じて,液性を選択して使い分けができるのが,合成洗剤の魅力なのです.
そして,最大の長所と言えるのが,中性の洗剤ができること.
中性なら,デリケートな洗濯物や肌にもやさしく働きます.
以前に羽毛布団の洗濯についての記事を書きました.
羽毛布団を家で洗濯するときは,中性洗剤を使うのがおすすめです.
アルカリ性のせっけんでは羽毛が傷んでしまうからです.
使い分ける
このように,合成洗剤にも長所と短所があります.
短所のなかでも,すすぎ落とされにくい,というのは,働き続けることと合わせて,皮膚にとっては大きなダメージを与える可能性があります.
ぬるぬるがなくなるまでよく洗えばいいのですが,時間もかかるし,水代もかかります.
となると,浴用はせっけんの方がいいと言えるかもしれません.
ですが,水回りの掃除のときには,酸性の洗剤の方が使い勝手がいいでしょう.
また,洗浄力が強いのは,せっけんより合成洗剤の方です.
しつこい油汚れなどを落とすときは,合成洗剤の方が向いていると言えますが,その分肌へのダメージも大きくなるので,手袋をして使用するなどしたほうがいいかもしれません.
何事にも,適材適所です.
杓子定規的に,「せっけんのほうがいいに決まっている」ではなく,正しく知って,選択することが大切ということですね.
(ぐ~まま)