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【せっけんのヒミツ】「せっけん」と「合成洗剤」のちがい

おはようございます.ぐ~ままです.

せっけんのヒミツ 第2弾です.

前回,せっけんの原料は油脂とアルカリ,合成洗剤の原料は石油と,説明しました.

今日は,もう少し詳しく,せっけんと合成洗剤のちがいをまとめてみたいと思います.

「せっけん」とは

せっけんは,洗剤の一種です.

そして,洗剤(洗浄剤)とは,汚れを落とす性質をもつものの総称です.

実際に,せっけんは体や手を洗うときにつかいますからね.

ではここで,質問ですが,そもそも「せっけん」とは何でしょうか.

実は,この問いに対する答えがややこしいものになります.

というのも,答えが二つあるからです.

「せっけん」

①汚れを落とす成分(界面活性剤)がせっけん(脂肪酸塩)のもの

②脂肪酸塩(脂肪酸ナトリウム,脂肪酸カリウム)

つまり,汚れを落とす成分そのものも「せっけん」といい,そのせっけん成分を含んでできているいわゆる白い固形物もせっけん,というわけです.

そして,汚れを落とす成分である脂肪酸塩は,前回お話した通り,油脂とアルカリによってできるものなのです.

なので,ややこしいのですが,せっけん成分を含んでいる洗剤が,「せっけん」というわけですね.

ちなみに,汚れを落とす成分のことを界面活性剤といいます.
界面活性剤については後述します.

「合成洗剤」とは

では,合成洗剤とはなんでしょうか?

合成洗剤

①汚れを落とす成分が,せっけん以外のもの

合成洗剤は,いたってシンプルです.

つまり,汚れを落とす成分(界面活性剤)がせっけん以外の洗剤は,すべて合成洗剤というわけです.

原料には主に石油が使われますが,天然油脂が使われることもあります.

ですが,せっけんのようにシンプルな工程でできたものではなく,複雑な工程を経て作られた,本来自然界には存在しない化学合成物質となります.

大量生産ができ,安価で,強い洗浄力を持つのが合成洗剤ですが,人体や環境への影響がつねに懸念されており,規制と改良を繰り返されているのも現実です.

「界面活性剤」とは

「界面活性剤」と聞くと,なんだか,合成洗剤と同じような,自然のものでないイメージをもちませんか?

実は,それは誤りで,「せっけん」も界面活性剤の一種です.

界面活性剤とは,界面(物質の表面)に作用して,界面の性質を変化させる物質の総称です.

界面活性剤には,水になじみやすい「親水性」と,油になじみやすい「親油性」の2つの性質があります.

この性質を利用して,水と油のように,本来混じり合わない物質同士の境目の界面を変化させます.

そして,変化した2つの物質は混ぜ合わせられることになり,それが,汚れを落とす働きをするのです.

洗剤とは,汚れを落とす性質をもつものなので,「せっけん」を含むすべての洗剤は界面活性剤というわけです.

「界面活性剤は,体に悪そう」というようなイメージは,払拭してくださいね.

なお,界面活性剤は,洗剤以外にも,食品の乳化剤や,帯電防止作用として使われるなど,多様な用途で利用されています.

まとめ

界面活性剤は,汚れを落とす働きがあります.

天然油脂の界面活性剤が成分であれば「せっけん」.

化学合成で作られた界面活性剤が成分であれば,合成洗剤.

せっけんと合成洗剤のどちらを選ぶかの判断基準は人それぞれだと思います.

ですが,やはり正しく知ったうえで判断することが大切です.

次回は,せっけんと合成洗剤の見分け方を説明できればと思います.

(ぐ~まま)

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