おはようございます.ぐ~ままです.
ドリトル先生のお話は,ご存じでしょうか?動物と話ができるお医者さんの話です.先日,新訳ドリトル先生シリーズについて少しご紹介しました.シリーズは,全12巻あります.
ですが,ストーリーの順番が本の発行の順番とは異なっているため,発行順に読んでいると少し混乱するかもしれません.なので,ここでは,ストーリー順にあらすじをまとめてみました.
この記事の目次
ドリトル先生の発行の順番
ドリトル先生シリーズは,イギリス人の作家ヒュー・ロフティングが書いたものですが,アメリカに移住してから発刊されています.アメリカでの発行年順の一覧は下記の通りです.
日本でも,背表紙などに記載されている本の番号順に並べると,このアメリカでの発行順になります.
ドリトル先生のストーリーの順番
ドリトル先生シリーズの発行順は上記のとおりですが,実は,話の内容は,発行順ではありません.
最初に発行された「ドリトル先生アフリカに行く」は,ドリトル先生が動物語を話せるようになったいきさつなので,ストーリー順にしても,1番目です.
ですが,2冊目に発行された「ドリトル先生航海記」については,アフリカから帰ってきたあと,数年後の話になり,その間の話があとからどんどん発行されているのです.
話の内容を基に,時系列に並べたストーリー順は以下のようになります.
「ドリトル先生航海記」は一番有名なお話で,この巻だけを訳した本もいくつかあります.
ですが,話を内容としては6番目になるので,それを知らずに3冊目の「ドリトル先生の郵便局」を読むと,話が少し前後するので,少し混乱するかもしれません.
ドリトル先生のストーリー順のあらすじ
簡単に,各話のあらすじをストーリー順に説明しておきます.
① ドリトル先生アフリカへ行く
ドリトル先生が,動物好きが高じて,人間の医者から獣医さんになるいきさつが書かれています.そして,オウムのポリネシアから,動物語を教えてもらいます.道端で具合悪そうにしていた馬と話をして,原因が目にあるとわかります.馬は「人間は誰もわかってくれず,やみくもに薬を飲ませる」と嘆いているのです.ドリトル先生は,馬にメガネを作ってあげて一件落着.
動物は,こんな風に思ってるんだな~とちょっと複雑な気持ちになりました.
獣医として生活を始めたところで,サルのチーチーからアフリカのサルに蔓延する伝染病の話を聞き,サルたちを助けるために,イギリスからアフリカに旅をするお話です.
② ドリトル先生の郵便局
「ドリトル先生の郵便局」は,ストーリー順でいくと「ドリトル先生アフリカに行く」の次のお話です.アフリカから一緒に返ってきた『ボクコチキミアチ』という頭が二つある珍しい動物が,イギリスの冬が寒いと言い出しました.なので,1,2週間ほど西アフリカに行くことになった,というところから話は始まります.
そして,西アフリカでは,世界最速のツバメ郵便を始めて大忙し.最後には,ノアの箱舟の時代から生きているといういうドロガオという巨大ガメを救出するべく,立ちあがります.
③ ドリトル先生のサーカス
西アフリカから帰ってきたドリトル先生たちは,お金がなく,サーカス団に入ります.ですが,サーカス団で虐げられた動物たちをみて,逃がしてあげようと大奮闘.その後,動物の劇で成功しましたが,団長がお金を持ち逃げしたことで,ドリトル先生が団長になるところで話は終わります.
動物と話ができる先生にとっては,サーカスは朝飯前ですね.
④ ドリトル先生のキャラバン
サーカス団の団長になったドリトル先生が,サーカスを大成功に導く話が「ドリトル先生のキャラバン」です.なんと,カナリアのオペラを大都会ロンドンで上演したのです.
ドリトル先生は,ペットショップに行くのが嫌いです.どの動物も先生に助けを求めてくるからです.ですが,オペラのプリマドンナのピピネッラをペットショップで見つけ,結局,ほかの鳥たちを逃がすためにひと騒動を起こしてしまうのは,先生の優しさですね.
先生のカナリアのオペラは,最終的には大成功を収めます.そして,成功して儲けたお金は,みんなで(動物も)均等に分配します.これも,先生ならではですね.
ちなみに,お金に使い道も十人(匹)十色で,それぞれの個性がでていて面白いです.
⑤ ドリトル先生と緑のカナリア
「 ドリトル先生と緑のカナリア 」は,ロフティングの死後に,遺稿からまとめられた作品です.
ですが,ストーリー順としては, カナリアオペラのプリマドンナをつとめ,サーカスで大活躍するピピネッラが主人公になっているため,5番目の話になります.
波乱万丈な人生(鳥生?)を送ってきたピピネッラの身の上話をまとめたものです.鳥と話ができるドリトル先生だからこそ,まとめられた話ですね.
⑥ ドリトル先生航海記
「ドリトル先生航海記」は,ドリトル先生の2作目にして,一番有名なお話です.まずは,助手のトミーとの出会いから始まります.そして,今回の航海に先立ち,裁判では犬の通訳をつとめ,無事旧友の疑いを晴らす場面は,痛快です.動物から話を聞けるって便利ですよね.
適当に地図帳を開いて決まった次の航海の行き先は,海に浮かぶ島「クモザル島」.クモザル島では,大博物学者のロングアローを見つけたり,帰りは透明巨大カタツムリに乗って帰ったりとわくわくする冒険談がいっぱいです.
⑦ ドリトル先生の動物園
クモザル島から巨大カタツムリに乗ってイギリスに帰ってきた後のお話です.
ドリトル先生は,念願だった動物たちが自分で運営する,おりのない動物園を作りました.ネズミクラブや,ウサギアパート,リスホテルがある動物の街.ディズニーのズートピアのような世界が繰り広げられています.大金持ちの遺産騒動に巻き込まれた先生は,探偵犬といっしょに事件解決です.
⑧ ドリトル先生と月からの使い
動物園のお話の続きから始まります.
犬の博物館ができたり,先生は虫の言葉の研究を始めたりと,愉快な毎日です.そして,次の航海の行き先がなんと「月」に決まってしまいます.
するとある晩,月から巨大蛾が先生を迎えにやってきました.
⑨ ドリトル先生の月旅行
巨大蛾に乗って月に到着した先生は月での冒険を始めます.
巨大カブトムシ,しゃべる花,そして巨人の足跡.月には,先生をわくわくさせる不思議がいっぱい.ついには,先生も巨大化してしまいます.そして,先生を月にとどめておきたかった巨人によって,トミーだけ,先に地球に帰らされてしまいます.
⑩ ドリトル先生月から帰る
月に先生を残して,一人で地球に帰ってきたトミーは,先生の帰りを待ちます.
そしてある日,先生は巨大バッタに乗って,帰ってきました.帰ってきた先生は身長が6mにもなっていてみんなびっくり.先生は,みんなから歓迎を受けますが,月での記録をまとめる時間が取れないことに慌てた先生は,なんと牢屋で執筆作業を始めることにしました.
⑪ ドリトル先生と秘密の湖
「ドリトル先生と秘密の湖」は,日本語訳では,上下巻に分かれています.
ドリトル先生は月から帰ってきた後も,月から持ち帰った野菜のタネを育てる研究などに忙しくしていました.しかし,次とイギリスでは気候があまりに違いすぎることから,それは断念せざるを得ませんでした.先生が落ち込んでいたある日,「ドリトル先生の郵便局」の最後で出会った ,ノアの箱舟の時代から生きているという巨大ガメのドロガオが地震で生き埋めになったと知り,またまた救出の旅に向かいます.
動物たちが力を合わせて,ドロガオ救出に立ち向かうのは,動物たちと話ができるドリトル先生ならではです.無事,救出されたドロガオは ,有名な「ノアの箱舟」の新事実を語って聞かせます.
⑫ ドリトル先生の最後の冒険
この本は,ロフティングの死後に,遺稿からまとめられた短編集です.
日本初公開の「ドリトル先生,パリでロンドンっ子と出会う」など,9つの短編がまとめられています.
ドリトル先生シリーズの番外編
ドリトル先生シリーズは,全12巻(新訳では 「ドリトル先生と秘密の湖」 は,上下2巻に分かれているので,全13冊)ですが,スピンオフ(番外編)として,「ドリトル先生のガブガブの本」も出版されています.
ブタのガブガブが食べ物にまつわる本を出版したという設定で,10篇の短編が収録されています.
単体でも購入できますが,豪華BOX入りの完全版には,こちらの番外編も含まれています.
新訳の魅力
先日も新訳については,少し紹介させていただきました.
新訳の魅力は,完全訳でありながら,何よりも軽快でわかりやすい日本語訳ということです.また,漫画かなと思えるほどのポップな挿絵も,子どもには受け入れられやすい要因の一つです.
ただ,親世代で井伏訳に慣れ親しんだ人にとっては,日本語が軽すぎると感じられるかもしれません.また,ポップな挿絵は自身の想像とかけ離れていて,拒否感を持つ人も少なくないでしょう.
ですが,これは子ども向けの本です.まずは,子どもが抵抗感なく本を読み始められる,という点においては,間違いないと思います.そして,子ども向けでありながら抄訳して,話を簡単にしてしまっているわけではない点もおススメできるところです.
ほかでも楽しめるドリトル先生シリーズ
ドリトル先生シリーズは,ロングセラー.新訳以外にも,昔からある井伏鱒二訳の文庫本もあれば,映画もあります.
映画にもいくつかありますが,おススメはエディー・マーフィー主演の「ドクター・ドリトル」.少し古い映画ですが, エディー・マーフィー だけあって,家族みんなで笑えるコメディーでありながら,動物愛の感じられるほっとする話です.
また,ドリトル先生シリーズは,もともと子供向けの作品ということもあって,英語の勉強にもおススメです.★追って詳しくご紹介したいと思いますが,特に多読・多聴に向いていると思います.特に日本語訳に比べて分厚い英語の本は,Kindleがおススメ.
まとめ
いかがでしょうか.
ドリトル先生シリーズは,本嫌いだったぐ~ままの子どもたちもマった,ありがた~いシリーズです.動物と話せるという,夢のような話の設定も,子どもに親しまれやすいポイントです.
日本語でも英語でもおススメです.
(ぐ~まま)