
おはようございます.ぐ~ままです.
今日は,アメリカザリガニが「特定外来生物」に指定される見込みとなったニュースをご紹介します.
出典:朝日新聞

ぐ~ままが子どもの頃は,近所の子供が集まると,近所の川でよくザリガニ採りをしたものです.
そして,我が家のBoyとGirlもまた,ザリガニが好きで,いま家には,赤ちゃんの時から飼っているザリガニがいます.
これは,特に子どもがいる家庭では,よく見られるシーンだと思うのですが,こんな一幕が,何年かしたら見られなくなるかもしれません.
特定外来生物とは
外来種とは,もともとその土地にいなった生物が,何らかの形で持ち込まれ,その土地に定着した生物です.
アメリカザリガニは,1927年にアメリカからウシガエルの餌として持ち込まれたのが最初です.
その時に逃げ出した個体が河川・湖沼で繁殖し,一部の地域を除き,本州のほぼ全域で定着しました.
つまり,アメリカザリガニは100年近く前に持ち込まれた外来種というわけです.
特定外来生物は,外来種のなかでも,その土地の生態系に影響を与えたり,農作物に被害を与える種を指定し,規制をするものです.
現時点で,特定外来生物に指定されている生物は,以下のページで確認できます.
こうやってみると,リスやアライグマのように,かわいいけど,実は・・・っていう生物も含まれているんですね.
子どもが大好きなアメリカザリガニも,実は嫌われ者だったんです.
アメリカザリガニが,特定外来生物に指定される見込み
アメリカザリガニは,大きなハサミで水草を切断したり,在来種の小魚や水生昆虫などを捕食するため,生態系への影響が長らく懸念されてきました.
また,水田の畔に穴をあけたり,稲の根を切断したりすることから,農作物への影響も深刻になっていました.
そのため,環境省の「生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)」の中でも,「緊急対策外来種」に指定されているほどです.
ですが,2020年6月に環境省より発表された「2018~2020 年度 特定外来生物の新規指定の考え方について」の中で,アメリカザリガニは,特定外来生物への新規指定を見送られることになりました.
その理由として,同書の中で以下のように記載されています.
(アメリカザリガニは,)特定外来生物に指定する要件を満たしているものの、現行法下において指定した場合、飼育個体の大量遺棄が懸念されるなど、社会的な混乱を引き起こすことが懸念される
出典:環境庁「2018~2020 年度 特定外来生物の新規指定の考え方について」
つまり,それほどまでに,アメリカザリガニの飼育が全国的に普及している,ということなのです.
しかしまた,逆に,それほど飼育が普及しているからこそ,早急に対策をするべきという意見もあり,議論が続けられてきました.
そして,一昨日(2021年7月6日)の会合の中で,特定外来生物に指定する方向での提言が行われた,というところです.
指定されれば2023年から規制開始
提言が行われたとはいえ,まだ正式決定ではありません.
ですが,このまま大きな反対意見がなければ8月にも正式決定され,早ければ,2023年から規制が開始される見込みとのことです.
規制が開始されると,根絶を目指して,野外での繁殖を妨げるための方策がとられるでしょう.
また,現行の規定では,個人が許可なく販売や譲渡,野外に放つと3年以下の懲役か300万円以下の罰金,ペットとして許可なく飼育しても1年以下の懲役か100万円以下の罰金がそれぞれ科されます.
ですが,アメリカザリガニはあまりにも身近すぎるため,この規定がどのように適用かは,これから議論されていくそうです.
近い将来,アメリカザリガニを身近に見ることはなくなるかもしれません.
農作業などへの被害も大きいことから,致し方ないことかもしれませんが,いなくなるのはさみしい気もします.
そして何より,もとはと言えば,人間が勝手に連れてきたものが,また人間の事情で駆逐されようとしているのは,ザリガニにとっては理不尽以外の何物でもないでしょうね.
つくづく人間は,身勝手な生き物だと思います.
(ぐ~まま)