おはようございます.ぐ~ままです.
私たちが日常的に何気なく使っている「せっけん」ですが,実は奥が深いって,ご存じでしょうか?
奥が深いものを調べていくと,身近なものであればあるほど,「そうだったんだ~」って思ってしまうことがたくさんあります.
ほぼ毎日,いろんな場面で使うのに,実はあまり知らない石けんのヒミツを,何回かに分けて書いていきたいと思います.
せっけんの原料
まず,せっけんの材料は,ご存じでしょうか?
せっけんの原料は,油脂もしくは脂肪酸とアルカリ.
そして,せっけんの漢字表記(石鹸)の「鹸」は,油脂・脂肪酸とアルカリを混ぜ合わせることを「鹸化(けんか)」ということから来ています.
ただ,鹸は,常用漢字でないため,通常は「せっけん」とか「石けん」と表記されることが多いですね.
つまり,せっけんは,油脂・脂肪酸とアルカリを混ぜ合わせて加熱し,鹸化させることでつくられます・
では,具体的に,脂肪酸とはなんでしょうか?
脂肪酸
脂肪酸は,その字のごとく,「脂肪」,つまり,「油脂」から作られています.
油脂には,動物油脂と植物油脂があり,牛脂,羊脂,豚脂,ヤシ油,パーム油,パーム核油,綿実油,オリーブ油などが使われます.
そして,使用される油脂によって,できあがる脂肪酸の炭素数が変わり,それがそのまませっけんの性質の違いにつながります.
例えば,低温での溶けやすさ,泡立ち,洗浄力,皮膚刺激性,など,脂肪酸によってせっけんの性質が変わります.
これについては,改めて詳述したいと思います.(★)
実際にせっけんを作る際は,複数の油脂・脂肪酸を組み合わせて,それぞれの特徴が活かされるように配合されます.
アルカリ
せっけんを作るときのもう一つの材料が,アルカリです.
せっけんをなめると,苦いような味がしますが,それはアルカリ成分によるものです.
アルカリとして,水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)と水酸化カリウム(苛性カリ)が使われます.
いずれも,強アルカリ性で,脂肪酸と混ぜ合わせて加熱することで,せっけんができます.
固形せっけん,粉せっけんには,水酸化ナトリウムを使い,液体せっけんには,水酸化カリウムが使われます.
これは,水酸化カリウムを使ってできたカリウム塩の方が,水酸化ナトリウムからできたナトリウム塩より,溶解性が高いためです.
せっけんの歴史
せっけんの歴史は,実はとても古く,紀元前3000年頃と言われています.
古代ローマ時代に,神様へのお供え物として,羊の肉を焼くときに滴り落ちた脂と,木の灰が混ざることで,自然に鹸化したものが,汚れをよく落とすとして珍重されたのが,せっけんの起源と言われています.
そして,この神事がサポーの丘で行われていたことが,英語の「soap」の語源だそうです.
また,「鹸」は,「あく(灰汁)」の意味があります.
つまり,動物の脂と灰を混ぜ合わせたものが,せっけん,ということですね.
合成洗剤
このように,せっけんとは,天然の油脂成分で作られたものになりますが,今の時代,天然のものは,費用も手間もかかる,ということで合成洗剤がつくられるようになりました.
合成洗剤は,主に石油から作られます.
合成洗剤が製品として出回るようになったのは意外に古く,1932年にアメリカで世界初の家庭用合成洗剤が売り出されたそうです.
そこから,合成洗剤は高い洗浄力や価格,手軽さなどが魅力となり,今では広く普及しています.
ですが,やはり,人工的に作られたもの.
人体や環境への影響は,常に議論され続けています.
次回以降,せっけんと合成洗剤のちがい,見分け方,選び方などを,紹介していきたいと思います.
(ぐ~まま)